礼服とビジネススーツの違い ビジネスマンなら知っておきたい基礎知識
礼服とビジネススーツ。見た目的にも、似ているスーツなので、一体どう違うの!?と疑問を抱く方もいらっしゃると思います。同じ黒のスーツでも着用シーンを間違えると、マナー的に好印象を与えられませんし、失礼になってしまうことがあるので、注意が必要です。そこで、礼服とビジネススーツの違いについてみていきたいと思います。
■礼服とビジネススーツの違い
・色の違い
もっともはっきり解るポイントとしては生地の「色」にあります。礼服は濃い黒で深さを感じる色なのに対し、ビジネススーツは少し薄い感じの黒で、礼服に比べると、グレーがかったように感じます。室内の暗い場所では見分けにくいかも、しれませんが、明るい場所に出ると一目瞭然でわかることも多いので、浮いてしまわないためにも、礼服は濃い黒を選びましょう。
・襟の違い
ジャケットの襟の部分はラペルと呼ばれていて、礼服とビジネススーツを見分けるポイントになるものです。襟部分にAMFステッチ(専用のミシンを使って、縫い上げること)が使用されているものは、フォーマル度の目安にされていて、ビジネススーツには入っていますが、礼装のタキシードやモーニングといったものには入っていません。
・生地・光沢の違い
礼服は葬儀などにも使用されることが多いため、光沢感のない上質な生地(ウール)で作られています。ビジネススーツは安価なポリエステルが含まれており、生地にテカリがあります。結婚式のお祝いの席では、ビジネススーツでも大丈夫かもしれませんが、葬式の際に、光沢感のあるスーツを着るのは、マナー的にもNGです。
■礼服・ビジネススーツの用途
礼服とビジネススーツは兼用できません。同じ黒だからといって、喜びと悲しみの席でスーツが同じは、社会人としてマナー違反です。しっかりと礼服とビジネススーツの用途を見極めておきましょう。
・喪服の場合
最初に伝えたように色は濃い「黒」を選び、必ずステッチ(縫い目)がないものを選びましょう。腰のポケットは横向きになっていて、ボタンは黒、パンツの袖はシングルを選びます。礼服はダボっとしたデザインのものが多いですが、上記のポイントを満たしたものであれば、細身に作られているものであろうと、「喪服」になります。
・結婚式の場合
結婚式などのお祝い事の際には、光沢感のあるビジネススーツを選ぶと、祝福感があって、失敗しづらいです。ただ、主役より目立ってしまうようなコーディネートをすると、浮いた印象で好印象を与えられないので、派手すぎないものを選ぶようにしましょう。
光沢感が強く、明るい青やグレーのスーツを着ていく場合は、ネクタイやシャツのトーンを落としたコーディネートにして、バランスを取りましょう。ネクタイは白地に柄が入ったものや、シルバーグレーが基本です
・長く着られるデザインを選ぶ
礼服は主に冠婚葬祭に使用される衣服で、5~10年は同じ服を着ることになるでしょう。
店頭へ行き、礼服を選ぶと、流行りのデザインを選んでしまいたくなる気持ちは解りますが、そういったものは飽きやすく、冠婚葬祭の際にも不適切になります。
10年後も着ていられるようなものを選ぶ際は、極力、デザイン性のあるものは避け、シンプルなものを選ぶといいでしょう。体型の変化のことも、考えて、ズボンはアジャスター付きのものを選ぶと、長く着こなせます。
■礼服の種類
礼服は用途に合わせて様々な種類がありますので、チェックしておきましょう。
・略礼装
略礼装には、ダークスーツ(ビジネススーツ)と、ブラックスーツがあります。ダークスーツは濃いネイビーやグレーのものがあり、格式にこだわらないカジュアルな結婚式の場合によく使用されます。ブラックスーツは、ビジネススーツを濃くした感じの色なので、通夜の際にも用いられています。
・正礼装
礼服のなかで、もっとも格式が高いとされる「正礼装」は、結婚式や記念式典などで主役または準主役が着用するものです。昼間に着用されるのは、コートの前袖を切り落とし、後ろを長く斜めにカットされたモーニングコート。夜は、ジャケットの袖が二つ割れにされている燕尾服やタキシードなどが着用されています。
・準礼装
準礼服はディレクタースーツと呼ばれ、結婚式に招待された主催やスピーチ担当の方がこのスーツを着用されます。カジュアルな結婚式では新郎・新婦の父親が着用することもあるので、結婚式の際は被らないようにブラックスーツを着ていった方が無難です。
まとめ
礼服とビジネススーツの違いをみてきましたが、いかがでしたでしょうか。着用シーンやマナーに配慮した装いをすることで、あなたの気持ちも伝わりやすくなります。大人の紳士なら格好いい出で立ちを心がけ、スーツを利用しましょう。