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高い生地と安い生地の違い

高い生地と安い生地の違い
一口にスーツといっても、その種類はさまざま。色や形の違いもあれば、その価格にも大きな差があります。
スーツの価格はブランドや仕立てなどによっても変わりますが、価格が決まる大きな要因のひとつとして生地があげられます。スーツに使われる生地としてはウールが一般的ですが、そのウールのなかでも品質の差があります。ウール以外にもさまざまな生地があるため、オーダースーツを注文する際には生地についてもよく知っておくことが大切です。
そこで今回は、高い生地と安い生地の違いについてご紹介します。

生地の価格は繊維の細さで決まる

スーツ生地のなかで、最も一般的な素材はウールです。このウールを素材とした生地のなかでも、生地によって価格は大きく変わります。特に大きく影響するのが、生地に使われる糸の繊維の細さ。生地は繊維が細くなるほど高くなり、高級品として扱われるようになります。
「細いほうが高い」というものの、スーツを見ただけで生地の繊維の細さを判断するのは難しいもの。おおざっぱにはわかるかもしれませんが、細かいところは見ただけではわかりません。そのため、スーツのタグには繊維の細さを証明するための「SUPER表示」というものが記されています。このSUPER表示の数字が大きくなるほど、そのスーツは細い糸で織られた生地を使っているということになります。つまり、SUPER表示の数字が大きければ、それだけ価格も高くなるのです。
ただし、繊維が細ければ耐久性は低くなる傾向にあるため、その点には注意が必要です。

ウールの割合によっても価格は変わる

ウールの割合によっても価格は変わる
ウールはそれ単体で使われることもありますが、ポリエステルなどの化学繊維と混紡されることもあります。この混率によっても、スーツの価格は変わります。基本的にはウールの割合が大きいほうが高く、最も高いものはウール100%です。ポリエステルの混率が50%などの場合、比較的安価なスーツとなります。ただし、ポリエステルが混紡されている=コストカット目的というわけではありません。ポリエステルが混紡された生地はウール単体の生地よりも強度が増し、耐久性に優れます。また、ポリエステルを混紡することでコントラストをはっきりさせることもできます。こういった目的から、ポリエステルを混紡している場合もあるのです。
ウール100%の生地が高いのは確かですが、ポリエステルが混紡されていても高い生地はあるため、一概に混率だけで考えることはできません。

さまざまな繊維

さまざまな繊維
オーダースーツでも生地の基本はウールですが、それ以外にもいくつか使われる生地はあります。以下で、そのいくつかご紹介します。

・カシミア

カシミアは、中国北西部やイランなどに生息しているカシミア山羊の毛を使った繊維です。ウールよりもソフトな肌触りで、上品な光沢があります。価格が高く、またデリケートであるため扱いには注意が必要です。

・モヘア

モヘアは、トルコや南アメリカなどに生息しているアンゴラ山羊の毛を使った繊維です。滑らかで吸湿性に優れ、光沢が美しいという特徴があります。弾力性が高いウールと混ぜて使われることが多くあります。

・ポリエステル

ポリエステルは、石油を原料とした化学繊維です。化学繊維のなかでは最も一般的であるといえます。頑丈で弾力性があり、シワになりにくいのが特徴です。ただし、吸湿性が低いため熱がこもりやすいというデメリットもあります。

スーツに使われる生地にはさまざまなものがあり、それによって価格は大きく変わります。それぞれ特徴も異なるため、オーダースーツを作るときには生地選びにも気を配りましょう。