【前編】「珍体型」からの脱却!オーダースーツで顔だけイケメンは真のイケメンになれるのか?
低身長・肥満・短足——スーツが似合わない理由は人それぞれ。
なかでも悩ましいのが、「似合わない要素」が複数組み合わさった「珍体型」です。
今回の主人公「森山佳亮(28)」は、低身長・短足・下半身デブ・肩幅や胸板はあるが首は細いという「珍体型」に悩む男性のひとりです。森山は端正で整った顔の「イケメン」ですが、「顔“は“いい」という制限つきの褒め言葉しかもらえない人生を送ってきました。
その理由は言わずもがな、森山の「珍体型」にあります。以下の森山の身体データをちらっと見ただけで、手の短さ・太いふくらはぎ・それに対してほっそりした首など、突っ込みどころが渋滞していることが分かります。
体型の悩みを各種搭載したの森山が特に気にしているのが「スーツが似合わないこと」。
「男性はスーツを着るとかっこよく見える」という声もありますが、実は既成品のスーツは物によっては、その人のコンプレックスを強調するケースも。そして珍体型の森山にとって、スーツは「コンプレックスを際立てるもの」でしかありません。
顔だけイケメンはもうイヤだ!スーツを着るときくらい『真のイケメン』になりたい!
今回はそんな森山の心の叫びに応えるため、オーダースーツ専門店カスタムオーダー「ダンカン」にご協力いただき、「顔も体型も真のイケメン」を実現するオーダースーツを作りに挑戦!
前半は森山が勤める会社でダンカンが『出張オーダー会』を開催した様子に密着。体型チェックから採寸完了までの流れをご紹介します。
はたして森山は、オーダースーツで「真のイケメン」になれるのでしょうか?
仕立て名人が斬る!「珍体験」にスーツが似合わない原因とは?
森山のオーダースーツをプロデュースするのは、勤続17年、ダンカン三宮店店長の仕立て名人「榮岩和久(はえいわかずひさ)」さん。
榮岩さんは、数多くのお客さんから信頼を得るダンカンの名スタッフのひとり。
前回の「ビフォー・アフター記事」では、榮岩さんは見事な仕立てで『残念イケメン』にかつての輝きを蘇らせました。今回はどのような技で森山の「珍体型」に立ち向かうのでしょうか?
それでは、森山の珍体型とスーツの問題点をチェックしましょう。「そんなに悪くない……?」と一瞬感じますが、細部を見ていくと体型とスーツの課題が見えてきます。
まず気になるのが、足の短さそして太さ。スーツパンツのはずが、ボンタンを着ているように全体がもっさりとした印象です。
くるぶしでパンツをカットしているため、足の短さ・太さが強調されています。また、全体にごわつきが……。
ごわつきの原因は、パンツのウエストのサイズにありました。太もも・ふくらはぎが太い森山は、そこのサイズを優先してウエストがブカブカなパンツを着用しているのですが、ダボついたウエストを無理やりベルトで抑えているせいで、ズボンの形が崩れてごわごわして見えるのです。
また、太もも・ふくらはぎに合わせた大きなサイズのスーツは丈も長いため、短足の森山は膝下を大幅にカットしなければなりません。膝下で大胆にカットしたパンツはシルエットが太く・寸胴になり、その結果、足が短く太く見えるという悲しい結末に。
上半身に目を移すと、左右で手の長さが違うことも判明
こちらは体型の割にほっそりとした首。腕まわりや胸板は厚いため、首の細さがアンバランスさを際立たせます。なんとデタラメな体型
森山の体型・スーツを見ながら、問題点を指摘する榮岩さん。特に下半身に課題が集まっているようで、入念にチェック。
この時点で、前回の「残念イケメン蘇りプロジェクト(リンク)」よりも難易度が高そうな予感がヒシヒシと。森山は、本当に「珍体型」を脱却し「真のイケメン」になれるのでしょうか。
理想を実現する3つのステップ!多様なニーズに対応するダンカンのオーダーメード
それではいよいよスーツ作りをスタート。
ダンカンでは、①生地選び②デザイン・裏地・ボタン選び③採寸の3つの工程で、スーツを仕上げていきます。採寸が終わるまでの時間はおおよそ1時間。
各工程で、スタッフさんが丁寧にヒアリンクをするので、はじめての方でも安心。
選ぶ素材・色・柄など、ヒアリング内容によって提案するものが変わるため、丁寧なヒアリングを心がけていると榮岩さん。
それでは、生地選びから「真のイケメン」になるためのスーツ選びスタートです。
①生地を選ぶ
まずは、生地のサンプルをチェックします。
この際、用途・利用頻度・好みなどを聞きながらお客さまにぴったりな生地を提案するのが仕立師の最初の仕事。
好みの色が見つかったら、身体につけて生地の色味を確認。
着たときの仕上がりがイメージできるため、納得しながら次の工程に進めます。
ダンカンでは、素材・色・デザイン・価格が異なる約1,000種類の生地をご用意。
お客さまの多様なニーズに合わせた提案が可能です。
②デザイン・裏地・ボタンを選ぶ
生地が決まったら、デザイン・裏地・ボタンを選びます。
生地だけでなく、デザイン・裏地・ボタンのバリエーションも豊富。
オーソドックスなものからポップなものまで、好みに合わせて選べます。
センスに自信がなくてもプロのアドバイスを受けられるので、はじめての方でも安心です。
ひとつひとつのパーツを選び終えたら、要望を細かくヒアリングシートに記載。
お客さまの要望に100%応えられるように、ひとつひとつの工程を丁寧に書き留めます。
③採寸
生地・デザイン・裏地・ボタンが決まったら最後は採寸。
珍体型脱却スーツを作る今回の企画においてもっとも大切な工程です。
採寸箇所は全身合わせて数十箇所。
珍体型を数値で明らかにされるのがイヤなのか、生気の抜けたような表情の森山。
榮岩さんも「珍体型」を前に少しゲンナリとした表情。
あまりのイビツな体型に、「本当にこの体型をカバーできるのか?」と一抹の不安がよぎったのでしょうか?
周囲・胴回り・ウエスト・ヒップ・肩幅・袖丈などなど、細部の細部まで丁寧に採寸していきます。
残念イケメン蘇りプロジェクトでもコメントをいただいたように、「接客中に常にその人の姿勢を見ておく」のが正確に採寸するポイント。
お客さまが背筋を伸ばしたり肩に力を入れたりしても、普段の姿勢を覚えておくことで、「ちょっと力を抜きましょう」と声をかけて、採寸がズレないように対処できます。
目には見えない部分にもプロの技が光ります。
以上で3つのステップが完了!
後は完成を待つだけです。
森山は真のイケメンになれるのか?結果は後半で!
すべての工程を終えて、なにやら不敵な笑みを浮かべる森山。
上半身だけのカットはとにかくイケメンです。
はたして、全身カットで同じように笑顔を浮かべることができるのか?
その結果は、再生プロジェクト【後半】で詳しくご紹介します!