【再生プロジェクト前編】大阪のオーダースーツで残念イケメンはどこまで蘇るか?
「かつてはモテモテだった
イケメンが、仕事のストレスと不摂生で大劣化……」
時の流れとは残酷なもので、身体のメンテナンスを怠ると経年劣化は進んでいくばかり。どんな爽やかイケメンも、その流れに逆らうことはできません。
そして、ここにもそんな経年劣化の流れにさまよう「残念イケメン」が……
学生時代はサッカーに情熱を捧げ、引き締まった身体と甘いマスクで多くの女性を虜に。
入社後もしばらくは社内外から「イケメン」と呼ばれ、女性からの黄色い声援を受けていました。
しかし、いつの頃からか「残念」の二文字が……。
仕事のストレスをビールとお好み焼きにぶつける植田は、不摂生と運動不足がたたり、入社から+15キロと大増量。
仕事の忙しさにかまけてメンテナンスを怠ったばかりに、ファッションも体型もすっかりダルダルに……。
30代に差し掛かる直前、かつての栄光を取り戻すには今しかないと悟った植田は一念発起!
「昔の俺を取り戻すには、まずはファッションからだ!」
そう決意して向かったのは大阪のオーダースーツ専門店、カスタムオーダー「ダンカン」。
服はファストファッションが基本のため、スーツをオーダーするのは今回がはじめて。
はたして「残念イケメン」は、オーダースーツで蘇ることができるのか?
期待に胸をふくらませ、意気揚々と入店!
創業40年!カスタムオーダー「ダンカン」とは?
まずは簡単に、ダンカンについてご紹介します。
カスタムオーダー「ダンカン」は、1978年に博多で設立した40年以上の歴史を誇るオーダースーツの老舗。
関東・東海・関西・中国・九州に36店舗をかまえ「良いものをより安く」という創業理念の下、一人ひとりの体型に合ったスーツを提案し続けています。
今回訪れたのは、大阪のビジネス街、本町にある「ダンカン船場店」。
大正時代に建てられた重厚感あふれる明治屋ビルの1階にあり、レトロで落ち着いた雰囲気が魅力的です。
勤続16年!ダンカンの仕立て名人が「残念イケメン」をコーディネート
お店で植田を迎えてくれたのは、榮岩和久(はえいわかずひさ)さん。
普段は三宮店で店長として勤務しているものの、今回は迷える「残念イケメン」のためにわざわざまで大阪まで来ていただきました!
榮岩さんは、勤続年数16年の大ベテラン。数多くのお客さんから信頼を得るダンカンの名スタッフの一人です。
今回は、豊富な経験と知識を兼ね備えた榮岩さんに「残念イケメン蘇りプロジェクト」をお任せ!
ビシッとしまった榮岩さんを前に、急に恐縮する植田。意気揚々と入店したものの、慣れない雰囲気に少し緊張気味の模様。
まずは、植田のファッションをチェック!なんとも地味でパッとしない色合いです。
まだ痩せていたときに購入したのか、全体のパツパツ感が気になりますね。
細部を見てみると、シャツがよくわからない破れ方をしています。
どれだけ着古せばこんなことになるのか……?
ジャケットはしばらくクリーニングに出していないのか、肘のシワが目立ちます。
ベルトにいたっては「捨てられていたものを拾ってきたの?」と疑ってしまうような仕上がり。
自分自身のファッションをかえりみて、少し萎え気味の植田。
オーダースーツで「残念イケメン」はどこまで蘇ることができるのでしょうか?
やりがいのある相手を前に、榮岩さんの顔がぐっとプロの表情に。ビフォー・アフターが楽しみです!
3つのステップで実現!細やかな配慮が光るダンカンのオーダメード
まずは、商品の受け渡しまでの流れと接客時のポイントについて、榮岩さんに伺いました。
「ダンカンでは、生地・デザイン・裏地とボタンの3つを選んでいただき、スーツの大枠を決めてから採寸します。入店から採寸完了まではだいたい1時間くらい。生地やデザインによって若干異なりますが、縫製からお渡しまでは4週間くらいですね。」
- ①生地を選ぶ
- ②デザイン・裏地・ボタンを選ぶ
- ③採寸
それぞれの過程で、スタッフがお客様の疑問に応え、要望を丁寧にヒアリングするため、はじめての方でも安心!榮岩さんも、接客ではヒアリングをもっとも大切にしているとのこと。
「ライフスタイルや利用頻度、スーツを使うシーンなどを細かく伺います。回答に合わせて、選ぶ素材・色・柄など提案するものが変わってくるので、ご満足いただけるスーツを仕立てるのにヒアリングがとても大切なんです。」
それでは早速、生地選びからスタートです!
①生地を選ぶ
まずは、用途や利用頻度などをヒアリングしながら、生地を提案します。ダンカンでは、素材・色・デザイン・価格など、バリエーション豊富な約1,000種類の生地をご用意!お客様のさまざまなニーズにお答えしています。
②デザイン・裏地・ボタンを選ぶ
続いて、テーブルでサンプルブックを見ながらデザイン・裏地・ボタンの3つを選択!
選ばれる価格帯や素材にもよりますが、シンプルでオーソドックスなものからカラフルでポップなものまで、バリエーション豊かなラインナップ。
生地の素材やカラー、デザインを踏まえてしっかりサポートしてくれるので、植田のようなセンスのない人間でも安心して選ぶことができます。
榮岩さんのサポートを得て、少しずつ植田の「蘇りスーツ」の全体像が見えてきました!
植田の表情も、入店直後よりやわらかくなり、少しホッとした様子。
③採寸
デザインが決まると、最後は採寸。
榮岩さんによると、採寸するのはなんと数十箇所。
スーツの着心地を決める重要な工程のため、細心の注意を払って進めます。
周囲、胴回り、ウエスト、ヒップ、肩幅、袖丈などなど、手際良く寸法を測っていきます。
榮岩さんは、お客さんの入店からここまで、採寸を正確にするために接客しながら必ずチェックしているポイントがあるのだとか。
「採寸するとき、ほとんどのお客さんは背筋を伸ばしていたり、肩に力が入っていたり、本来のその人の姿勢ではないことが多いんです。
そのまま測ってしまうと普段のサイズとズレてしまうので、入店からずっとその人の姿勢や体型をチェックして、『ちょっと力が入りすぎていますね』などと声をかけます。そうすることで、その人の本当のサイズを測ることができるんです。」
まさに、プロならではの視点!このような細やかな配慮があるからこそ、一人ひとりの魅力を引き出す仕立てができるのでしょう。
オーダースーツの仕上がりは、再生プロジェクト後半で!
これで、オーダースーツを作るために必要なすべての工程が完了!
慣れない作業に植田も少しお疲れの様子。
後は工場での縫製を終え、お店に届くのを待つだけです。
「残念イケメン」植田は、ダンカンのオーダースーツでどこまで蘇ったのか?
その模様は、再生プロジェクト【後半】で詳しくご紹介します!
ライター:児島 宏明
企画編集:らんだ(小嶋 悠香)